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加虐の皇子と愛玩ドール
第12章 錯綜同衾

「んっ……?!」

「力を抜け」

「ダ、メ…………ゃ、やぁ、……ああっ」

「みほちゃんは、あんまりいたぶりたくないんだ。好みってわけでもないし」

「じゃ、じゃあ……」


 がりり、と、みほこの肩に歯を立てた。

 脇を吸い上げ鎖骨を啄ばみ、みおりはみほこの乳房の先をしゃぶり出す。

「うっ……ひっ、ああっ、あんっ、はぁぁっあ"ん!!…………」


 膣内部の肉襞は、万差ある。みほこが甚だ痛がったのは、けだし彼女が痛覚における耐性を持ち合わせなかったのではない。

 みおりは、みほこを湯から上げて岩に組み敷いた。根元まで突き入れた中指に、愛液とは異なるものがまといついた。鉄錆の味がみほこを恐慌に追いつめて、やがて忘我に昇華させた。


 みほこの愛液を拭い、血を舐め尽くし、友好的なキスを交わした。



 話に聞いていた通りの少女だ。女子校の人気者であった時分は短めだった黒髪こそ、胸を覆うほどのレイヤードに伸びているものの、みほこに備わるのはほづみのような雰囲気ではない、畢竟するに、やはりみおりの好みとは対照的な華だ。


 それでも、みおりがみほこに戯れた根拠。


 快楽があるからだ。



 湯上がりの脱衣室で、みおりはみほこと手持ち無沙汰にはかなしごとをした。

 そこで話した。

 みおりがみほこを抱いたところで、ほづみは何の感慨も持つまいことを、ましてほづみが、みほこにいかなる感情をいだくこともあるまいことを。
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