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加虐の皇子と愛玩ドール
第12章 錯綜同衾
「だけど、みおりさん。今回ばかりは怒ってますから」
「何のこと」
「昨夜のことも、今日のことも、私で遊んでただけなんでしょう?!巴山さん達までグルになって……」
「ほづみが浮気したのは事実だし」
「みおりさんだって、…………みほこ先輩と」
「したかったから」
「──……」
もとよりほづみ以外の女を抱けない世界など、地上全ての人類が、男かアンチセクシャルかになったも同然だ。
「時にりんこちゃん。君こそ、あちこちで女の子をかどわしてるって聞いたけど」
「……海馬先生、そんなことまで話したんですか?」
「君こそどこでバレたんだ」
海馬しづか。
今回の計画の暗躍者も、ほづみを密かに想っていた一人である。
みおりがほづみに出逢ってまもなかった頃、しづかは噂を聞きつけて、雅音の店『Gemini』を訪ねた。あの時も、みおりはほづみを辱めたいがためにしづかの悪巧みに加担して、彼女に不貞を余儀なくさせた。
だが、ほづみはしづかに脚を開かなかった。
「…………」
あの時、ほづみはみおりを好きだと言った。
「…………」
好き。
その感情は、いかなるかたちをしていたのだろう。そして何故、あの朝ほづみは、しづかに許さなかった一線をゆか達に許したのか。