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加虐の皇子と愛玩ドール
第5章 公認遊戯

 つーっ、と、ワンピースのファスナーの下りる音が立つ。
 みおりは花会の震える肩から腕にかけて、誰にも踏まれたことのない、淡雪の積もった如くの柔肌を物色する。それから、ワンピースの剥けた身体の、ひときわ盛り上がった部位を覆った下着のホックを手早く外した。

「はぁっ、ん……」

 ふるん、と、ブラジャーから解放された乳房が顫えた。

 みおりがキスを求めると、存外にしおらしくなった双眸が視界に触れた。

 二つの唇が一つに重なる間際、花会の方からそれが押しつけられてきた。







 マンモスホテルの高層階、しかもいくつもの部屋を通過せねば寝台にありつけないスイートで、更に念には念を込めて、扉は暗証番号を知らねば開かないホテルを選んだ。

 みおりが花会の無垢な肉花を、ここまでして毀損したかったのにはわけがあった。

「はぁっ、はぁ……もう……」

 やめて下さい、と、怯えた瞳に訴えられる。

 花会は下着もストッキングも取り除かれて、文字通り丸裸になっていた。広げた両腕は手首からヘッドボードの柱に繋がれて、仰向けの身体は尾てい骨が枕に押し上げられている。膝は立てた状態で、天蓋の骨組みから垂れた鎖に吊るされている。豪快に開いた内股の間に、てらてら光る愛液の泉が溢れていた。

 みおりは、たった今まで花会の膣内を泳いでいた自分の指を口に含む。
 無色透明の粘液は、掬っても掬ってもとめどない。むやみに性器を傷つけるのは避けていたが、花会は顔をしかめるほどの瞬間の方が、高らかに喘ぐところがあった。

「ぁっ、ん、……むぐ?!」

 今一度、みおりは花会の肉壺の割れ目をなぞった。そうして糸を引いた自分の片手を、今度は花会の口に突っ込む。
 小さな歯列をこじ開けて、愛液を、分泌主の体内に送り返してやる。

「花会のいやらしいとこから垂れ流れた汁だよ。今日まで指も入れたことがなかったなんて、信じられない……君の膣内(なか)、私に食いついてきた。ぐちょぐちょに緩みきって、貪欲だ」

「ぅっ、はぅ」

「しっかりお舐め?予行は終わった。お楽しみはこれからだ」

 みおりは傍らのチェストから、予め潜ませておいたディルドを掴み上げる。

 花会の唇から今にも切れそうな銀糸がとろりと伸びて、その口許が濡れた。
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