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監禁DAYS
第5章 今だから言わせて
「お前はだらしない犬だ。美月」
首に赤い線を刻む革を引く。
さらに惨く。
「う、ぎっ、いぎっ、ひんっ、いっ」
「あえぎ声も犬に近づいてきた」
肉と肉とがぶちゅぶちゅ擦れ合う。
セックスってのは客観的に見たらひどくグロテスクだ。
そこに狂気や高揚があるから夢中になれるのであって。
黒くて臭いの強い襞を見たところで普通は興奮しない。
空気。
それが人を狂わせる。
美しく珈琲を飲んでいた美月が吐きながら俺に貫かれて犬になっている。
ペットか。
玩具か。
自分の中で相手の人権を砕いたときの快感なんて知らなかった。
殺す、とは違う。
薬も使ってないからか。
力で押さえつけるからか。
美しいものを汚しているから?
「はっ、白目剥いてきたな。美月、聞こえるか?」
スライドを遅め、頬をペチペチと叩く。
熱い蒸気を感じると思ったら失禁していた。
動きを止めると、その体がガクガク痙攣しているのがわかる。
恐怖でも病気でもない。
これは俺が引き起こしたもの。
快楽の奔出。
きっと世界は真っ白。
「ひとつ訊きたいんだが」
爆発しそうな棒を押し付け、美月の耳を舐める。
「食いちぎった乳首はどうすればいいんだ?」
答えは返ってこなかったし、俺にはわからなかった。
ヤクザが詰めた指はどこにいく?
大事に仕舞われる?
コレクションとして。
鬱なアニメであったな。
女の乳房を切り取って集めて、我が身に移植して気持ち悪いエイリアンみたいになってた変態。
だが、このくすんだピンクはどうする。
ネックレスか?
ブレスか?
日常的にガムみたいに噛み続けるか。
「捨てらんねえよな。お前の形見が乳首ってのだけは遠慮する」
既に気を失った美月に口づける。
嗜虐。
それに憑かれる前に、この仕事は終わらせないと。
俺が堕ちるか
お前が死ぬか
どっちが早いかだ