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crazy night
第5章 燻る復讐心
部屋の隅で震える有紗。

そういえば、前に製造現場の人達と飲みに行ったときに士郎に送ってもらった事がある。

反射的に、コンビニの袋をゴミ箱に捨ててしまった。

明日、絶対に辞表を出そう。
すぐに引っ越して、自分の身を守らなければ…

いっそのこと、都心から離れた実家に帰ってしまおうか…

そもそも、この先、生きていて良いことなんてあるのか…

頭がズキズキ痛んでいた。


そこに、一通のメールが入る。


また、士郎からだ…
意を決して、内容を確認する。

『本当にすまなかった。ドアに少しだけど食べ物を置いてきた。

許してもらえるとは思っていないし、許してほしいなんて言えないこともわかってる。

仕事を辞めないでほしい。
俺は、有紗ちゃんのエンジニアとしての腕も含めて好きになったんだ。

孝は今日辞表を出した。
望むなら、俺も明日にでも出してくる。

ただ、今試作でだしている油圧機の完成を待ってほしい。

俺が今言えることはこれだけだ…
信じてもらえないかもしれないが、愛してる。』

有紗は怒りで手が震え、携帯を壁に向かって投げつけた。

「ふざけるんじゃないわよ…!!!」

思い出しただけで吐き気がする…

ただ、最後に士郎に優しく抱きしめられた暖かさだけは、有紗の身体に深く刻まれていた。
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