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crazy night
第7章 揺れ動く
手術は無事終わり、早ければ明後日には一般病室に移れるとのことだった。
有紗はひとまず安心し、やり残した仕事のために一度職場へ戻る。
時間はすでに21時をまわり、社内に残っている人も少なかった。
デスクに着くと、有紗はいつも使っていたペンが無いことに気がつく。
去年の誕生日、真由さんからもらった有紗のイニシャルが刻まれた品の良いシルバーのペン。
「あの時か…」
士郎に庇われたとき、現場の製品棚のあたりに落としてきてしまったのだろう。
トボトボと、現場へと歩き出すと、女の人の泣く声がしてきた。
真由さんだ…
両手で顔を覆い、泣きじゃくる真由さんの側に男の人との姿が見える。
男の人が真由さんをそっと抱き締めた。
有紗は息をのむ…
思わずその場から逃げ出してきてしまった。
自分の見間違いでなければ、あれは雄二だ…
どういう事なんだろう…
真由さんは去年までの3年間仕事でアメリカに行っており、そちらに婚約者がいると聞いていた。
じゃぁどうして雄二さんと社内で抱き合っているのか…
落ち着きを取り戻せないまま、有紗は自宅へと戻った
有紗はひとまず安心し、やり残した仕事のために一度職場へ戻る。
時間はすでに21時をまわり、社内に残っている人も少なかった。
デスクに着くと、有紗はいつも使っていたペンが無いことに気がつく。
去年の誕生日、真由さんからもらった有紗のイニシャルが刻まれた品の良いシルバーのペン。
「あの時か…」
士郎に庇われたとき、現場の製品棚のあたりに落としてきてしまったのだろう。
トボトボと、現場へと歩き出すと、女の人の泣く声がしてきた。
真由さんだ…
両手で顔を覆い、泣きじゃくる真由さんの側に男の人との姿が見える。
男の人が真由さんをそっと抱き締めた。
有紗は息をのむ…
思わずその場から逃げ出してきてしまった。
自分の見間違いでなければ、あれは雄二だ…
どういう事なんだろう…
真由さんは去年までの3年間仕事でアメリカに行っており、そちらに婚約者がいると聞いていた。
じゃぁどうして雄二さんと社内で抱き合っているのか…
落ち着きを取り戻せないまま、有紗は自宅へと戻った