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王女様の不埒な暴走
第4章 執事の噂と王女様の暴走
「お止めなさい。傷でもついたらどうなさるんですか!?」
「でも……、こうしないとジョシュアさんを受け入れられない、から……」
痛みに耐え、もう一本増やしてみる。更に痛みが増す。硬い襞が収斂し、リンゼイの指を押し戻そうとする。
「い、痛……い」
ついにリンゼイはすすり泣き、それでもどうにか拡げようと隘路を掻き回した。
「もうわかりましたから……。これを解いてくだされば……」
ジョシュアが言いかけたところ、長いこともがいたり引っ張ったりしていた腰紐が緩みきり、解けかけていた部分がするりと抜け、片手ではあるが解放されてしまった。そしてもう一方もジョシュアは解いてしまった。
「あ……」
眼を閉じて痛みに耐えていたリンゼイの腕がジョシュアの手に掴まれ、彼が自由になってしまったと気付く。
ジョシュアの手によってゆっくり引き抜かれるリンゼイの指。強張るリンゼイの表情。
彼が自由になってしまった今、この非道な計画は破綻し、リンゼイの望みが絶たれることとなり、サッと血の気が引いた。
「ジョ、シュア……さん」
ハラハラとリンゼイの瞳から涙が零れる。どうして自分はこうも不出来なのだろう。
彼に嫌われることを覚悟して計画を実行したのに、その上望みも叶わず、ただ軽蔑されるだけになってしまった。
掌に顔を埋め、己の愚かさに打ちひしがれるリンゼイだったが、彼女の理解の範疇を超える出来事が起こった。
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