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王女様の不埒な暴走
第5章 暴走の果ての悲劇
13歳でジョシュアと出逢い、彼に恋をした。
遠く離れる彼を一日たりとも忘れたことはなかった。
黄金に輝く髪、聡明な顔付き、涼しげで怜悧なサファイア色の双眸、甘く低い声色。貴族の男にも見劣りしない、高貴な雰囲気。
いつもリンゼイをドキドキさせる仕種や、あの優しい笑み。
運命的な出逢いだった。そして彼を運命の相手だと信じて疑わなかった純真な子供も、いつしか大人になり、叶わない恋だと知った。
リンゼイは一国の王女で、彼は使用人だ。どれだけ強く求めても、リンゼイの弱く細い腕では彼に届かない。
だが彼ともう一度逢う機会を得られた。リンゼイの兄と姉の協力があってのことだ。
ようやくジョシュアに逢えたのだが、その矢先あっさりとリンゼイの恋は破れてしまった。
自棄になり、自失したリンゼイは、姉から最後の手段だと渡されていた媚薬を使い、卑怯にも彼を襲った。
紐で拘束し、無理矢理彼と身体を繋げようとしたのだ。
だがそれも──。
なにひとつ上手くことが運ばない現実に打ちのめされ、ジョシュアの信頼も失ってしまい。
ただだだ咽び泣くリンゼイを、温かい感触が包み込んでいた。
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