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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案
「……私に抱かれたこと、後悔しておいでですか」
「そ! それは……」
絶対に後悔する日など訪れないと思っていた。独身の身で夫以外の男に処女を捧げれば、生涯孤独に生きていくと解っていても、ジョシュアに捧げられるなら本望だと。
だが今は──。
「していま……んんっ?」
している、と言いかけた唇を、ジョシュアが後頭部に回して手で引き寄せ、彼の唇で塞がれる。
柔らかな感触に驚き、眼を見開くリンゼイの目前にあるジョシュアの美貌。何が起こったかまったく理解できていないリンゼイの唇を割り開き、強引にぬめる舌が口腔に入ってくる。
「んっ、んんっ……!」
逃げ惑う舌が絡め取られ、擦り合わされ。歯列や口蓋だけでなく、頬の粘膜までも丹念に愛撫され、最後に舌の根元をきつく吸いあげられた。甘い疼きが脊髄を駆け上がり、脳を麻痺させる。
「悪いことを言う口はこうやって塞ぐのが一番です」
一瞬だけ甘い笑みを見せるジョシュアは、またすぐにいつもの生真面目な彼に戻る。
「レッスンは明日から行います。本日は充分にお身体を休めてください。お食事はのちほどお持ちします」
業務事項を淡々と告げ、彼は去る。
なぜキスをされたのだろうか、とか、後悔がどうとか考えてはいなかっただろうか、とか。胸に渦巻く様々な考えを一瞬で吹き飛ばす威力がある口づけに、リンゼイはただ放心するしかなかった。
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