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王女様の不埒な暴走
第6章 王太子の提案
リンゼイはジョシュアによって寝台に上半身を起こした状態で座らされる。そして彼は上掛けをリンゼイの膝まで引き上げ掛けた。
「朝食はまだ摂られてらっしゃらないですよね。この時間になるとブランチになりますが、リクエストはございますか」
昨夜のことがまるで無かったような普段通りのジョシュア。彼は怖くないのだろうか。自分の首が跳ねられそうになっているというのに。
相変わらず感情の読めないジョシュアを、泣きそうな面持ちでリンゼイは見上げる。
「どうかされましたか」
リンゼイは膝の上で拳をつくり、頭を下げる。
「ごめんなさい。謝って赦されることではありませんが……本当にごめんなさい」
「あなたは私に謝ってばかりですね」
こうべを垂れるリンゼイの髪が不意に撫でられる。肩をびくりとさせ、そろそろと瞼を開けると、片膝をついたジョシュアが腕を伸ばし優しく撫でていた。
「どうして……怒らないんですか」
「私に怒る資格があるとお思いですか? 処女だったあなたを朝まで抱いた私に?」
「だって、それは……私が盛った薬のせいで……」
口にするのも怖気が走る己の罪に、リンゼイは泣きたくなる。
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