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王女様の不埒な暴走
第9章 王女は甘いひと時に浸る
「……イ様、リンゼイ様ってば!」
「ふぇ?」
「"ふぇ"じゃないですよ! またにやけてらっしゃいましたよ?」
「う、嘘……! ごめんなさい……」
リンゼイはドレスを着せてくれるライラに謝りつつ、頬を軽く叩いて表情を引き締める。
「気を付けてくださいよ! まだお二人の関係は秘密なんですから!」
立てた人差し指を振り回し叱りつけるライラに再度謝る。
ジョシュアと想いが通じ合ってから数日経つが、まだ夢見心地のリンゼイは、知らぬ間に口許を緩ませていたり、突然赤面したりと周囲の人間からしたら相当挙動不審な行動を取ってしまっている。
告白を受けた直後より時間が経つにつれて一層実感し、そして彼をますます好きになっている。
だがライラが言ったようにジョシュアとの関係は、当人たち以外だとレオナルドとここにいるライラのみしか知らない秘密だ。ライラにも話していいものか迷ったが、レオナルドからジョシュアの辛い過去を伏せさえすれば話してもいいと言われた。相談事をしたり恋愛の話し相手がいたほうがリンゼイも心強いだろうとの気遣いからだ。
レオナルドの許可をもらいライラにジョシュアと両想いになれたことをかいつまんで話すと、彼女は大仰なまでに悦んでくれ、ジョシュアと結ばれればこのラインハルトで共に暮らしていける夢まで馳せ、瞳を輝かせてくれたのだ。
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