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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
ラインハルトへの旅路はとても穏やかだった。
空はよく晴れ渡り、風もなく、馬車は順調に進む。滞在先の邸でも公爵となったジョシュアと、その夫人となったリンゼイを大歓迎してくれた。
その道中、ジョシュアからアリエッタがどうして行方を眩ませたのかや、ジョシュアが公爵になった経緯を聞かされた。
まさか自分がアリエッタがいなくなった原因の一端にあるとは想像だにしていなかったリンゼイは、心臓が止まるほどに驚いた。彼女はリンゼイとレオナルドが良い仲で、自分が邪魔になるのだと思ったらしく、誰にも告げず姿を眩ませてしまったのだとか。
「私のせいで、アリエッタ様にお辛い想いをさせてしまったんですね……」
「いいえ、リンゼイ様のせいではありませんよ。それに今ごろはレオ様によってすべての誤解は解かれているはずです。過ぎたことを気に病んでも仕方ありません」
だがレオナルドは自分とジョシュアのために隠れ蓑となってリンゼイの傍にいてくれた。それが原因だと思うと胸が痛んでしまうのだ。
けれどジョシュアの言うことも解る。過去に縛られず、ラインハルトに行ったら、彼女が二度と顔を曇らせないよう、この先心を配っていけばいいのだ。
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