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王女様の不埒な暴走
第12章 エピローグ
「ザキファス公爵になった経緯ですが……これについてはリンゼイ様の了承を得ず、決めてしまったことがあり、謝らなければならないことがございます」
謝ることとはなんだろうか、と頭を傾げるリンゼイの横で、ジョシュアはひとつ息をついて思い出すようにその時のことを語った。
アリエッタがザキファス邸からいなくなった直接の原因は、レオナルドを想うあまりの行動だったのだが、もうひとつ彼女の父であるザキファス公爵との根深い確執が原因でもあった。
恋に破れたと思い込んでいた彼女を温かく迎え入れるでもなく、公爵はアリエッタを詰り、追い出したのだ。
そしてアリエッタの母──公爵夫人は長年娘と夫の関係に頭を悩ませており、今回の件で娘の居場所を作りたいと強く思い、ついに公爵と離縁を決意した。
元はザキファス公爵は夫人の父の爵位。離縁したことで夫から夫人に爵位が移ることになるのだが、公爵は非常に冷徹で権力の権化のような人物。簡単に離縁できるとは思えず、レオナルドの協力を仰いだ。
レオナルドはアリエッタ捜索の過程で公爵がある犯罪に手を染めているのを突き止め、その証拠を盾に夫人と公爵を離縁させるのに成功した。
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