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王女様の不埒な暴走
第4章 執事の噂と王女様の暴走




「やって……しまいましたわ……」


 勢いに任せてジョシュアに告白したリンゼイ。直後は胸に秘めた思いを告げられたことで、気持ちが多少なり楽になった気がしていた。


 だが時間が経つにつれ、深い後悔が襲ってきた。告白したことではなく、その仕方だ。


 あんな風に子供じみた告白などするつもりなどなかったのに。もっと大人の女性らしく淑やかに、男心を擽り誘惑するように愛を告げたかった。


 あれでは幼子が甘いお菓子や玩具を好きだと言うのと同然で、ジョシュアも真面目に受け取ってくれなかったかもしれない。


 寝台で俯せになり、クッションに顔を埋めていたリンゼイは、のろのろと起き上がり鏡に自分を映す。


 17にもなっているのに幼い顔立ち、期待以上に膨らまなかった胸。身体の線も細く、見た目だけなら15歳くらいだろう。


 先日、レオナルドの邸に晩餐に招かれたときに会った、彼の恋人──本人たちはそうは言わなかったが、リンゼイは彼の邸に住むアリエッタという女性をレオナルドの恋人に違いないと確信していた──を思い浮かべる。


 蜂蜜色の波打つ髪に、黒曜石のような美しい漆黒の瞳、豊満な乳房はドレスを着ていても見て取れ、引き締まった腰は実に女性らしかった。





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