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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第6章 ☆♯04 SceneⅣ(情炎~JOUEN~)☆
ちょっと見には自然の岩を積み上げて造った岩風呂のような造りだ。清潔な湯が満々と湛えられていて、ゆっくりと身を沈めてみる。
誰もいない広い露店風呂は随分と大きく思えるが、手脚を伸ばして湯に浸かっていると、こんなときなのにうとうとと快い眠気を誘ってくるようだ。
その時。入り口の戸がカラカラと音を立てて開いた。
美月はハッとして、面を上げる。狼狽して音の聞こえた方を見やると、白い湯げむりの向こうに佇む人影がある。
誰もいない広い露店風呂は随分と大きく思えるが、手脚を伸ばして湯に浸かっていると、こんなときなのにうとうとと快い眠気を誘ってくるようだ。
その時。入り口の戸がカラカラと音を立てて開いた。
美月はハッとして、面を上げる。狼狽して音の聞こえた方を見やると、白い湯げむりの向こうに佇む人影がある。