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オルテンシア【紫陽花】~檻の中の花嫁~
第8章 ☆♯05 SceneⅤ(AnniverSarY~記念日~)☆
ふもとの病院を抜け出して美月が真っすぐ向かったのは、H市の駅だった。タクシーを拾ってH駅まで行き、ベンチに座って時間をやり過ごした後、始発電車に乗り込んだのである。K町の駅に到着したのが昼前だったから、大方、丸半日以上をネット・カフェで過ごしたことになる。
ネット・カフェを出たからといって、他に行く当てはなかった。若い女の身で深夜、一人徘徊するのは危険だと思い、殆ど衝動的に眼についたこのコンビニに飛び込んだのだ。
ネット・カフェを出たからといって、他に行く当てはなかった。若い女の身で深夜、一人徘徊するのは危険だと思い、殆ど衝動的に眼についたこのコンビニに飛び込んだのだ。