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第7章 横浜ホールディング③

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「うん。いい野菜だわ」

横浜ＨＤの直営のレストランが
有名な無農薬野菜の農園と完全契約をした事は
業界紙の話題をさらった。

噂通りいい野菜だ。

「あんなちゃん」

野菜を中心に食べていた私を見つけ
経管の山田さんが声をかけてきた。

「山田さん。これが噂の？」
「そう。いい野菜だろ？外食営業部の手柄だな」

「うん。確かに」
無農薬でこのクオリティーは凄い。

私のそんな言葉を聞いて山田さんがニッと笑った。

「あんなちゃんに認めてもらうと嬉しいな」
「え・・・」
「外食関連の事に関してはあんなちゃんほど知ってる人はいないから」

「そんなこと」
「いや。だから今日は是非あんなちゃんの意見が聞きたかったんだ」
「うん。ご招待ありがとう。先行で食べさせてもらえるとは思わなかった」

それから山田さんは私につきっきりで
野菜の感想を求めた。

「良い農家だとは分かっていたけど。あんなちゃんにお墨付きをもらって安心した」
「お役にたてて良かった」

「じゃ、仕事抜きで向こうでゆっくり飲もうか」

そう言って山田さんはボトルにグラスをカチンと合わせた。

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