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サイドストーリー2
第14章 Christmas2014
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「数学のセンセイ」

クリスマス前の日曜日。
高校は期末テストが終わり、弥生ちゃんは採点に忙しくしていた。
俺は弥生ちゃんの部屋でゆるく勉強していると

「智樹。クリスマスなんだけど」

実は、今年は俺からこの言葉を言わないでおこうと思っていた。
さて、この続きはなんていうのかな。

「大学の友達とクリスマス、やるでしょう?」
「・・・ああ。誘われたね」
「だよね。じゃぁ、空いている日に会おうか?」

予想通りのことを言う。
俺の学生生活を優先させようとする。

「俺、誘われてるのに全部出たらそのへんずっとダメだぞ?」
「そっか。まぁそのへんじゃなくてもいいよね」

心の中で小さくため息をつく。

「ね?弥生ちゃん。ちょっと採点中断してこっち来て?」
「うん」

弥生ちゃんは赤ペンを置いて俺の前にちょこんと座った。

「欲しいものは欲しいって言わないとダメなんだよ」
「うん?」
「人から与えられるのを待ってたらダメだ」
「うん」
「クリスマスに俺が他の女と過ごしてもいいの?」
「・・・・他の女って、誰かとふたりで過ごすの?」

「大勢ならいいのか?」

「・・・・」
「無理な時は無理っていう。でもまずはどうしたいか言ってごらん」

困った顔でうつむいた弥生ちゃんにできるだけ優しく言った。

「クリスマス、一緒に過ごしたい。大勢だったとしてもほかの女性がいるところで過ごさないで」

俺はぎゅっと弥生ちゃんを抱きしめた。
「よく言えました。俺と過ごしたかったらちゃんと言わないとダメなんだよ。
我慢しちゃダメなんだ」
「うん」
「俺たちは環境が違うんだから。口に出さなきゃダメだ。それはワガママじゃないんだよ」

俺はそっと弥生ちゃんにキスを落とした。

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