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第23章 予期せぬ出来事

帝side－


「社長、杏に余計なコトを言いましたね」
「杏の口から訊いたのか？」
「訊きました」

誰にも言えない俺の秘密。
杏には一生隠し通そうと決めていたが、杏は知ってしまった。
俺達は今度こそおしまいだと思う。

杏には悪いけど、自分の子は産んで欲しくない。
俺だけで十分だ。
無垢で生まれ来るのが赤ん坊なのに。

俺の子は生を受けた時から罪に塗れ、一生有罪なんだ。



「杏に子供がデキたかもしれません。だから、今から早退させて下さい」

「中絶するのか？」

「今はまだ憶測です。二人で病院に行って診察を受けます」

「そうか。良い返事を待ってるぞ。帝」

「社長の良い返事とは俺と杏の結婚報告でしょ？」

「それ以外に何がある？？」

「俺も罪を犯した身だ。でも、人は罪を償うコトが出来る」

「俺の罪は償えませんよ。一生有罪なんです・・・」

「杏の中に芽生えた命を摘むのも罪だぞ。お前はそうやって罪を増やすのか？お前は弁護士だろ？お前の母親だって弁護士だったんだろ？」


「これ以上俺のコトは詮索しないで下さい！
貴方は自分の望みを押し付け過ぎです！！」