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ギルディ~S系エリートと鳥籠の令嬢~
第4章 ビスクドールー帝side-
神宮寺社長は杏のコトを生きたビスクドールと言ったが、俺の目には人形に映らなかった。
俺に瞳に映る杏は生まれたての赤ん坊。
彼女は赤ん坊のまま成長したような無垢な雰囲気を漂わせていたから。
杏の知り得る世界は副社長が与えた閉塞的な世界。それでも、彼女はその狭い世界を広げようと努力している。
だから、俺の事務所でバイトを始めた。
「杏は将来、弁護士になりたいのか?」
「え、あ・・・まぁ」
「そうか…じゃ大学は法学部志望か?」
「でも、父が反対しています」
「・・・」
あの父親は杏が何を言っても反対するだろう。副社長は訊く耳を持っていないから。