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第1章 駅カレ―杏side－

私はお父様に従順な娘として、何一つ逆らわず生きて来た。中等部を卒業して、高等部に進学した辺りから、親に従うだけの人生に疑問を抱き始める。


その疑問は次第に大きくなり、私の心に自我を芽生えさせた。


それが私一人での電車通学。


最初はお父様、お母様も反対したが、都心から離れた場所にキャンパスをおく大学部に進学すれば否応なしに、電車通学しなければいけなくなる。


大学部に行く為の予行練習と二人を説得。私は、毎朝、ラッシュアワーの車内に乗り込み、高等部まで通学を毎日こなした。

私はちょっとした自由を手に入れた。

私の自立の第一歩なのだ。