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理想と偽装の向こう側
第6章 予測不可能
落ち着いて挨拶してる黎子の横で、暢くんが見事なくらい気をつけ状態で勢いよく


「新泉です!今日は宜しくお願いします!」


と挨拶をし、いつものコンパスお辞儀で深々頭を下げる。


その姿を小田切さんは、握りこぶしを口元に、一瞬黙ってマジマジと見つめていたが、一言… 


「…新泉くん、可愛いね…。」


「え!」
「えっ?」
「ふふふっ」


暢くんは、一気に真っ赤になって両手で頬を挟む。


乙女か!


美男子と美少年の絵面に、ついつい、テンションが上がってしまいバタバタしてしまう。


「香織…腐女子モードになってるわよ」


「はっ!」


黎子を横目で見やる。


「あんた基本的そうよね。アイツもどちらかと言うとオタク受け良さそうだったもの」


小田切さんたちに聞こえない程度で囁く黎子。


アイツとは、嘉之のことだ。 


「見てくれが、黒王子か執事が似合いそうだっわね。だから一目惚れだったくせに」


「……くっ!」


こんな時に痛いことを!


「小田切さんは白王子な感じよね…見た目は」


「中身も王子だよ。結構!暢くんだって、王子的要素あるかもね」


「…どちらかと…小人さんかしらね」


身長178cmの小人さんって…。


片や見つめ合う美男子、片や腐女子なアラサー…。


今日一日の始まりから、この光景は何なんだろうか。


うどんパーティー、無事に終わるといいなぁ~。

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