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理想と偽装の向こう側
第7章 利用と束縛
うどんのパーティーに暢くん誘ったのは、黎子だったよね…。


「暢くん、大丈夫だった?」


「端的に説明しといたわ。頭の良い子だから余計な詮索もしてこないし。それより単純に楽しかったって」 


「暢くん…心のオアシスだぁ~」


「純なの分かってるんだから、変なモードで見ないの!」


「は~い…保護者みたいだね。でも、有り難う…二人とも…」


「ふふふ…腐れ縁だから仕方ないわよ」


柔らか微笑む黎子…本当に心強い親友だわ。


「けど、ケーキ仕込んだでしょ!」


黎子はいつもの不適な笑みで


「ふふん!香織の好みで買っただけじゃない。たまたま小田切さんと好みが合っただけだし、半分こして食べれて良かったじゃないの」


「…くぅ~」


何も言えない!!


「とにかく…小田切さんだって何らか傷があるんでしょ。それを知ったときと惚れたときの覚悟は必要よ」


「分かった…」


「今から、小田切さんの趣味サーチしとけば」


「まだ、なんの進展もないのに、なんでそんな張り切らないといけないのよ」


「いつ、ナニが起こるか分からないじゃない」


「…はい?」


「女の身だしなみ…下着、色気あるのにしときなさいよね」


「なっ!!!」


私は、顔が一気に赤くなっていくのを感じた。


「マスター、ハイネケンおかわり!」


黎子は、さも当たり前の様に涼しい顔して、二杯目のハイネケンをオダーした。


腐れ縁の女友達も考えもんだな…。 


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