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理想と偽装の向こう側
第7章 利用と束縛
男性に綺麗って変かもしれないけど、私の中では最上級な表現だった。
特に一生懸命頑張ってる人は、性別関係なく美しいって思ってしまう。
今の小田切さんの醸し出してる雰囲気が、何とも言えなかった。
腐女子かな…?
観覧車のガラスに手を当てながら外を眺める。
「…今日は、有り難うございました…」
「ん~?」
「何か小田切さんと出会ってから、毎日『ありがとう』ですね」
クスッと笑う。
「毎日が感謝出来るって…凄いな…」
「そんな大層なことしてないよ…」
背後から、私の手に小田切さんの手が重なる。
「俺は、ズルい人間だよ…。」
「…えっ…ズルいって…?」
ドキッとする…何だろう…。
「香織んの傷心を利用して…縛り付けてるから…」
耳元で小田切さんは、そう囁いた。
「でも…」
「でも?」
それが今は、心地良い。
小田切さんとの空間を失ったら、水槽の中で酸素を吸えない金魚の気分だろう。
傷を癒す『理想』から始まった『偽装』…
最後に辿り着くのは…
どっちなんだろう?
「でも…私も今は…小田切さんに縛られてたいです…」
普段なら、こんな台詞正面きって絶対に言えない。
恥ずかしいな…流石に…。
ガラスに表情が映らないよう俯く。
そんな私を小田切さんは、後ろから抱き締めてくれた。
特に一生懸命頑張ってる人は、性別関係なく美しいって思ってしまう。
今の小田切さんの醸し出してる雰囲気が、何とも言えなかった。
腐女子かな…?
観覧車のガラスに手を当てながら外を眺める。
「…今日は、有り難うございました…」
「ん~?」
「何か小田切さんと出会ってから、毎日『ありがとう』ですね」
クスッと笑う。
「毎日が感謝出来るって…凄いな…」
「そんな大層なことしてないよ…」
背後から、私の手に小田切さんの手が重なる。
「俺は、ズルい人間だよ…。」
「…えっ…ズルいって…?」
ドキッとする…何だろう…。
「香織んの傷心を利用して…縛り付けてるから…」
耳元で小田切さんは、そう囁いた。
「でも…」
「でも?」
それが今は、心地良い。
小田切さんとの空間を失ったら、水槽の中で酸素を吸えない金魚の気分だろう。
傷を癒す『理想』から始まった『偽装』…
最後に辿り着くのは…
どっちなんだろう?
「でも…私も今は…小田切さんに縛られてたいです…」
普段なら、こんな台詞正面きって絶対に言えない。
恥ずかしいな…流石に…。
ガラスに表情が映らないよう俯く。
そんな私を小田切さんは、後ろから抱き締めてくれた。