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理想と偽装の向こう側
第7章 利用と束縛
木曜日


今週も小田切さんは、毎日帰りが遅かった。


起きて待っていたくてもかえって心配かけるので、先に寝るけど、朝はやっぱり小田切さんの方が早く起きてる。


「なんかもっと、出来ることないかな…。」


思えば嘉之より、小田切さんのことばかり考えるようになっていた。


ああ…本当に、黎子の思惑通りになりそうだ。


けど、そうなると小田切さんへの片想いになる…
小田切さんが元カノを忘れない限り、絶対に叶わない恋になる…。


『惚れた時の覚悟』


黎子の言葉が、リアルに差し迫ってくる。


「はぁ~」


私の恋愛って、前途多難だな…。


レンタル屋の片隅で、大きくため息をついた。

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