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理想と偽装の向こう側
第8章 絶対服従
「何か用事あるの?」


用事あるなら私も、もう帰れるかも!


そんな淡い期待に声のトーン上がってしまったが、


「いいや…寧ろ予定ないんだよね。そろそろアルコールもイケる時間かなと思ってさ」


「あ…そっか…」


「さっき香織がいない間に、食前酒で軽くキール頼んどいた」


「えっ!」


「久々なんだから、もう少しいいだろ?」


肘を着いて片手の甲で顎を乗せて、不敵に笑う。


ここで機嫌損ねたら、もっと厄介なことに成りかねない…。


「分かった…」


あぁ…オムシチューが…。

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