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理想と偽装の向こう側
第8章 絶対服従
キールと前菜が運ばれて来た。
「えっ…これ…」
「適当に頼んだ。腹減ったし」
「…っ!」
腹減ったしって…私の都合はお構い無し!?
この唯我独尊ぶりは、本当に変わらないな…。
「じゃ…香織…乾杯」
「乾杯…」
キンっ!と、グラスの甲高い音が響いた。
料理も次々運ばれてきて嘉之は感想を述べながら食べ進めていたが、正直喉が通らない。
「あれ?香織、進んでね~な~」
「あっうん…何か緊張しちゃって…」
「なんだよ、それ」
そう言って屈託なくニカッと笑った。
この顔も大好きだったな…。
「俺さぁ~今年中に海外に進出させてもらえるんだよね」
急なフリだったが、苦労した時代を知ってる分、素直に感激してしまった。
「えっ!本当っ!?凄いじゃん!楽しみだね!」
私も絵描きを目指してた…
だからこそ嘉之のこの躍進は、アーティストとして成功して欲しいとの思いも相まって素直に喜べた。
「そっか~海外か…益々忙しくなるね」
「まぁな…」
照れくさそうに笑っていたが、本当に嬉しいんだろうな。
「ここんとこそのことや、身内のことでバタバタしてたからさ…香織にも全然連絡出来なくて…。今日バッタリ会えるなんて本当に驚いたよ」
「…ホントだね…」
私は、度々メールや電話してたけどな…
全くもって、音沙汰無しだったけどね。
「暫く俺、このホテルに滞在してたんだよ。明日も朝イチで出掛けるんだけどさ」
「はは…凄い売れっ子じゃん!」
ちょっと嫌味ぽかったかな…。
「えっ…これ…」
「適当に頼んだ。腹減ったし」
「…っ!」
腹減ったしって…私の都合はお構い無し!?
この唯我独尊ぶりは、本当に変わらないな…。
「じゃ…香織…乾杯」
「乾杯…」
キンっ!と、グラスの甲高い音が響いた。
料理も次々運ばれてきて嘉之は感想を述べながら食べ進めていたが、正直喉が通らない。
「あれ?香織、進んでね~な~」
「あっうん…何か緊張しちゃって…」
「なんだよ、それ」
そう言って屈託なくニカッと笑った。
この顔も大好きだったな…。
「俺さぁ~今年中に海外に進出させてもらえるんだよね」
急なフリだったが、苦労した時代を知ってる分、素直に感激してしまった。
「えっ!本当っ!?凄いじゃん!楽しみだね!」
私も絵描きを目指してた…
だからこそ嘉之のこの躍進は、アーティストとして成功して欲しいとの思いも相まって素直に喜べた。
「そっか~海外か…益々忙しくなるね」
「まぁな…」
照れくさそうに笑っていたが、本当に嬉しいんだろうな。
「ここんとこそのことや、身内のことでバタバタしてたからさ…香織にも全然連絡出来なくて…。今日バッタリ会えるなんて本当に驚いたよ」
「…ホントだね…」
私は、度々メールや電話してたけどな…
全くもって、音沙汰無しだったけどね。
「暫く俺、このホテルに滞在してたんだよ。明日も朝イチで出掛けるんだけどさ」
「はは…凄い売れっ子じゃん!」
ちょっと嫌味ぽかったかな…。