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理想と偽装の向こう側
第8章 絶対服従
いっそ…消えてしまいたい。 


自分の存在価値なんて、どこにあるんだろう…。


どす黒い感情が、じわじわ沸き上がり全てを支配しきて息苦しくなる。


嘉之と、いるとこうなる…。


「チャラチャラ~」


着信音が、何度も鳴っている…。


嘉之は、もう全然気にしてない。


時間的に22時近いだろう、小田切さん…心配してるかも。


嘉之に抱かれながら私は、小田切さんのことばかり考えていた。


有り得ない奇異な出会い…
でも、今は一番心が安らぐ…。


何より等身大で、いられる。 


小田切さんと過ごした1ヶ月足らずの時間が、宝物のように感じた。


私…きっと…小田切さんに惹かれ始めてしまっている。


嘉之に抱かれながら、痛感した。 

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