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理想と偽装の向こう側
第8章 絶対服従
「…!!」


身体中に尋常じゃない程、キスマークを付けられてる!


特に胸元の痕はかなりくっきりと大きく、一週間くらい残りそうだった。


『マーキング』


この身体中の痕を見る度に、嘉之のことを思い出してしまうではないか!


「あ…離れられないの…かな…」


小田切さんに飛び込むところか、背後から蜘蛛の糸に絡め捕られた感覚だった…。


確かに嘉之は、嫉妬深かった。


すぐ拗ねるし、自身への愛情かどれだけあるか、試されるようなことは多々あった…
けど…。


昨日みたいなことや、こんなに痕を付けることまでは、なかった…。


嫌な予感がしてきた…。


私は自分の勘を余り信じない…その分経験したことを重視するようにしている…。


この予感は、今で嘉之を見てきたからこそだった…。


もう…本当に会わないようにしよう…
小田切さんも巻き込むかもしれないから…
それだけは、避けたい…


あの空間は、どうしても守りたい。


『利用していいんだよ…』


許されるなら、小田切さんの腕に包まれていたい…。 


そう…決意した。

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