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理想と偽装の向こう側
第11章 亀裂
◎ ◎ ◎ ◎

「はい…嘉之、水だけど飲む?」


「ん~飲むわぁ」


結局、淡い期待は無残に破れて、いつものパターンとなった。


まあ、今日はそんなに激しくなかったから良かったけどさ…。


明日も仕事だと思うと、早く寝たいと思う今日この頃…。


まだ色んなことを考えてしまうのが、どうしても抜けきれないでいたから、たまに抱かれながらも本当に辛くなる。


「香織…」


「ん?な~に?」


「しばらく…実家行ってくるわ…」


「……そうなんだ。久しぶりなんじゃない?ゆっくりしてくればいいじゃん!」


「ん…そうする」


なんだ~実家か!
別に深刻になることもないじゃんね!


さてと寝ようかな…
と思ったら、嘉之は片腕で私の頭を抱き込み自分に引き寄せた。


「土産…何がいい?」


また、急にお土産なんて…


「実家…新潟だっけ…」


「そっ…」


お土産…お米…
って訳にもいかないし…笹団子もどうかな?
あっ…。


「ネコ!ネコの写メ送って!」


「はぁ?そんなんでいいの?」


「うん…ずっと見たかったから…」


嘉之のハートを掴んで離さないネコ様をね!


直接会える日がいつか分からないし!

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