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理想と偽装の向こう側
第12章 板ばさみ
「落ち着いて…俺こそ香織んが不安な時に独りぼっちにさせて悪かった。怖かったよね…」
小田切さんの胸は広くて温かくって、私は少し落ち着きを取り戻した。
独りぼっちが怖かった訳ではない…
私は小田切さんを失うのが怖かった…。
「小田切さん…帰って来ないから…もう、会えないのかなって…」
「ははっ!それは無いよ。ちょっと片付けなきゃいけないことがあったから、思いの外時間かかって…ホントごめん」
小田切さんは、背中をポンポンと優しく擦りながら
「俺から香織んを独りにすることはしないよ…こないだも言ったけど香織んが独りになりたかったら、香織んが選んでいいから…」
そう言って、抱き締める腕に力が込められた。
どうしよう…
凄く嬉しい…。
こないだ嘉之と一晩明かしておいて、小田切さんの腕の中に居られることが、幸せに感じてしまう。
今度は安堵から、涙が溢れ出した。
「ふっ…ひっく…」
「あ~!香織ん凄いことになってる~」
ハンカチを取り出し、極上の小田切スマイルで涙を拭ってくれた。
小田切さんに抱き締められたまま、ひとしきり泣いて、やっと落ち着いたのだった。
小田切さんの胸は広くて温かくって、私は少し落ち着きを取り戻した。
独りぼっちが怖かった訳ではない…
私は小田切さんを失うのが怖かった…。
「小田切さん…帰って来ないから…もう、会えないのかなって…」
「ははっ!それは無いよ。ちょっと片付けなきゃいけないことがあったから、思いの外時間かかって…ホントごめん」
小田切さんは、背中をポンポンと優しく擦りながら
「俺から香織んを独りにすることはしないよ…こないだも言ったけど香織んが独りになりたかったら、香織んが選んでいいから…」
そう言って、抱き締める腕に力が込められた。
どうしよう…
凄く嬉しい…。
こないだ嘉之と一晩明かしておいて、小田切さんの腕の中に居られることが、幸せに感じてしまう。
今度は安堵から、涙が溢れ出した。
「ふっ…ひっく…」
「あ~!香織ん凄いことになってる~」
ハンカチを取り出し、極上の小田切スマイルで涙を拭ってくれた。
小田切さんに抱き締められたまま、ひとしきり泣いて、やっと落ち着いたのだった。