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理想と偽装の向こう側
第12章 板ばさみ
「いただきまぁ~す!」


「召し上がれ~」


一口頬張り


「美味しい~!!」


安心したから、ことさら美味しい。


「ははっ!香織ん本当に、旨そうに食べるよね」


ワインを注ぎながら、小田切さんが言う。


「だって本当に美味しいですもん!」


「そう…はい、あ~ん!」


でた!
『あ~ん!』攻撃!


でも今は、小田切さんが側にいることを実感出来る…。


小田切さんが差し出すスプーンを口に含み


「おいひぃ~!」


「はい!次ニンジン!」


えっ!


「あ~おいひぃいでふよ」


口がモゴモゴして、上手く話せない。


「次、お肉!」


なにっ!連続攻撃!?


「あ~…あの~むぐっ!」


更にオムライスを突っ込まれる。


どうしたんだろう!?


「おひゃひりひゃん?」


「はははっ!香織んリスみたい!可愛い~!」


口に沢山含ませられて、頬っぺたが膨らんでるところを小田切さんは突っつき始める。


ちょっと!
何プレイですか!


「ん~!ん~!!」


私はSぽい人を引いてしまうんだろうか…。

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