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理想と偽装の向こう側
第4章 同棲スタート
しかも、居酒屋でワイン飲みたかったのをしっかり叶えてるし!


「…小田切さん…本当はモテモテでしょ…」


あっさりコルクを抜いて、ワイングラスにコポコポとワインを注ぎながら


「モテモテだったら、こんな広いところ独りで住んでないっしょ!」


う~ん…そうかもだけど…。


そこでふと、黎子嬢の言葉が浮かんでしまった。


「ホモ…セクシャルじゃないですよね?」


「残念ながら、そっちもモテないよ」


あぁ~小田切流にサックリかわされた!!


本気で悔しがってると、小田切さんが話題を変えてきた。

「香織ん、明日何か用事ある?」


「いえ…特に」


「じゃあさ大きい荷物で必要なの運ぼう。俺会社に置いてる車持ってくるから乗せてこよ!」


「えっ!!」


本格的に同棲準備を進められてるよね?


「午前中は、用事あるんだけど午後は手伝えるから、香織ん準備しといてよ」


「…はい…お願いします…」


ああ…本当に流されやすいな…私…。


でも何か、この同棲は決して無駄にはならない様な気がする。


「ん!じゃあ、再度乾パ~イ!」


「乾杯ぃ~!」


カチンっ!


私の複雑な気持ちとは裏腹に、ワイングラスは美しい音を鳴らした…。

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