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理想と偽装の向こう側
第12章 板ばさみ
とりあえず…会うしかないか…。


『明日のお昼くらいなら、時間取れます』


ちょっと義務的だけど…
今の精一杯の正直だ…。

送信…。


そのタイミングで小田切さんに呼ばれた。


「香織ん!出来たよ~!」

「あっ!はいっ!」


部屋を出るとリビングのテーブルには、スープの無いラーメンがあった。


「つけ麺、担々麺風にしてみました!」


小田切スマイルで、お汁を運んでいる。


キュン!
なんて至れり尽くせりなんだ!


「あ、ありがとうございます!飲み物出しますね!」


「ありがとう~!」


私は冷蔵庫から飲み物を出して、グラスに注いで持っていくと、座ってる小田切さんが手を伸ばしてグラスを受け取ろとしたら、


「チャラチャラ~!」


メールだ…嘉之だ…。


「香織ん鳴ってるよ」


「…はい…」


座ってから確認すると


『明日、11時にアパートに迎えに行く』


嘉之との約束が、成立してしまった。

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