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理想と偽装の向こう側
第12章 板ばさみ
本当に別れられるのかな…
正直自信がない。


やっぱり、元サヤに戻るべきなのかな…そんなことまで、湧き上がる。


嘉之に尽くしていれば、一応優しくもしてくれるし…。


私は嘉之の術中にまんまとハマっていきそうになっている。


考えごとをしながら、マンションに向かう途中、橋を渡りながら川の方を見た。


いつもと変わらない穏やかな流れに、自分の弱さを見せつけられる。


『強くあれ!』 


ここで、決意した。 


嘉之との別れも、小田切さんとの出会いも…
どんな時もここだけは変わらない…。


私もいつかは理想に溢れた眩い大海に、辿り着ける日がくるのだろうか…?


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