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理想と偽装の向こう側
第12章 板ばさみ
◎ ◎ ◎ ◎

マンションに着き鍵を開ける前に指輪を外し、付けられた痕に絆創膏を貼って中に入る。


「ただいま…」


「あれ?香織ん帰って来たの?」


小田切さんが、少し驚きながら聞いてきた。


「へ…?…あぁ!!考え事してて、帰ってきちゃった!」


「ぶっはっ!香織ん、マジッ!」


小田切さんは爆笑していたが、悩み過ぎて駅の待ち合わせをすっかり失念してしまっていた。 


「ご、ごめんなさい!連絡もしてなかった!」


「はははっ!いいよ~全然!それより面白かったからさ!」


「はぁ…さようですか…」


こんなに笑ってくれてるなら、良かったよ…。


「出れるけど、もう行く?」


「あっ…はい、ちょっと着替えて着ますね。」


「着替え?そのままでも、大丈夫そうだけど?」


私は無意識に、首元を隠し


「もうちょっとラフな格好にしようかなって…」


「…香織ん…。その絆創膏どうしたの?」


あぁ…目ざといな…。


「虫…虫に刺されたから、絆創膏貼ったの!」


我ながら、わざとらし誤魔化し方だ。


「虫?…消毒した方がいいかもよ。香織ん、やってあげるよ」


なに!
小田切さんの優しさが、またこんな形でピンチを招く。


「だ、大丈夫!大したことないよ!」


「でも、痕になったら嫌だろう」


だから、痕なんだもん!!

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