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理想と偽装の向こう側
第13章 対決
「元カノさん…可愛い方だったんですね…」


言いながら、痛みが走る。


「うん、めちゃめちゃ可愛かったね。小柄で可憐で、それでいて優しい子だったよ。あっ!渡辺さんも可愛いよ!」


うっ!
オマケは、いいですよ…
ズキズキする…。


そんな人、小田切さんとお似合い過ぎるし…。


「渡辺さん、小田切から詳しく聞いてないんだよね?」


「あっはい…」


「そっか…じゃあ俺からはアレコレ言えないけど、今は小田切は渡辺さんに救われてると思うよ。それは絶対かな」


「え…本当ですか?」


それなら、凄く嬉しい…。


「渡辺さん、お願いしていいかな?」


「はいっ!何でしょうか?」


「金曜日…小田切を一人にしないで欲しいんだ。なるべく一緒に居てもらえたら有難い」


「金曜日…?なんで…」


滝島さんはちょっと寂し気な顔で


「小田切が彼女に会えなくなったのが金曜日なんだ…あと、食が細い子だったから一緒に食事も余り出来なかったみたいでね。それを悔やんでたかな」


「食事…一緒に出来なかったんですか。」


毎週金曜日…
小田切さんが料理を作って食べさせてくれてた理由…。

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