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理想と偽装の向こう側
第13章 対決
「な…どうしたの…いきなり」


グラッと、目眩がした。 


なんで、このタイミングでそんなことを言うだろうか。


「ん~?ずっとバタバタしてただろ。色々落ち着いたからさ」


今度は、私の頬に軽く口付け…

目元、額と次々に甘くキスを落としていく。 


「また、な…んで?」


「…ま、今までしてもらうばかりだったしね」


そして唇の端に触れ…
また微笑む。


クラクラしてきた…。


嘉之の持つこの空気感とか、戦術の一つだ。


元々、見てくれが好みの分、本能的に反応してしまう…。


駄目だって!
このままじゃ尻軽女だよ!


嘉之が顔を傾け、唇に触れようとした…。


「お茶っ!!」


「お茶っ!?って、何だよ!」


怪訝な顔しながら、距離が出来る。


「お茶…飲みたくて…。喉渇いてるから」


我ながらチープだな!
だけど、あのまま流されたら、嘉之のなすがままになる。


「あぁ…まっ、時間はまだあるしな…」


そう言って、嘉之はいつもの不敵な笑みを浮かべていた。

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