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理想と偽装の向こう側
第13章 対決
小田切さんが、名前を呼ぶと嘉之が、


「名前、呼ばれる筋合いないけど」


「ちゃんと彼女と向き合ってあげろよ!君の所有物じゃないんだぞ!」


小田切さんが力強く言ってくれが、嘉之には火に油だった…。


「アンタに俺たちのこと関係ないだろ!」


「嘉之っ!止めてよ!」


「…関係ない?彼女がこんなに苦しんでて見過ごす訳にはいかないよ」


小田切さんが静かに答える。


「俺たちの6年間に、いきなり割って入ってくんなよ!」


「ふっ…やだ…嘉之…小田切さんは、関係ない…」


ダメだ…泣きそうだ…
6年間…その言葉が重くのし掛かった。


「関係なくない…」


「なに…?」


二人が今にも掴み掛かりそうに、睨み合う。


私が悪いんだ…。
嘉之とちゃんと向き合ってれば、小田切さんに甘えなければ、二人をこんなことにさせないで済んだのに!


「嘉之…とにかく場所変えよう…人目に付くから…」


「じゃあ、今からウチに来いよ!」


「…それは…」


「こないだの続きするぞっ!」


意味深に言って、ニヤリと小田切さんに笑い付ける。 


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