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理想と偽装の向こう側
第5章 トラウマ
荷物を運ぶのには、二人で持って一回車に運ぶだけで事足りた。


「香織ん、荷物少ないよね。大きい縫いぐるみとかないの?」


「すみませんね。そんな可愛い趣味ないです」


「ディズニーとかは?」


「全く興味ないです!」


言い切る私に小田切さん爆笑。


「はははっ!以外な面見たかったのに!」 


「はぁ?て、事は予想通りだったんですか?」


「あの額縁の山、何?」


また!イキナリ話題を変えて!
策略なのか!実はオバチャン思考なのかな?
私のお母さんもコロコロ話題変えるし…。


まあ、いいけど急に嫌なところを突っ込んできたな…。


コン…


コーヒーカップを小田切さんの前に置いた。


「どうぞ、インスタントですが」


「有り難う~!一仕事後だから美味い!」


些細なことでも、ひろげるな~と思いつつ、質問の回答するのは重たかった。


「…彼の作品です…」


「彼の?そっか…そう言えば画家だったっけ?」


「画家って言うよりは現代アートですけど、独特な世界観はありますよ」


「う〜ん…あんまり絵とか分からないんだよね。ごめんね」


「いえいえ、私も専門的には勉強してないですし…。でも、こうゆうのも出逢いというか、相性というか…彼の作品で部屋が明るくなったらいいなぁとか、一人でも多くの人に彼の作品を好きになって貰いたかったんですよ」


「そう…」


小田切さんは、コーヒーを飲みながら穏やかに話を聞いてくれていた。 

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