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理想と偽装の向こう側
第14章 時限爆弾
「えっ…」


「香織、金曜日にすげぇ~こだわるよな。小田切だろ?」


呼びつけするな!
でも、的中している…
本当に変なところで機転利かすな。


「…そんなこと…」


「ちゃんと送ってやるし、昨日みたいなことしないから乗れよ。」


その手に乗らないから!


「…騙されやすいもん…私…。」


「ぷっ…!確かに!」


あんたねぇ~!
挙げ句


「逃げても追っかけるよ」


「くっ…」


…誰か嘉之の攻略本書いたら、高値でも買うわ…
と、本気で思った。


仕方なく助手席に座るが、シートベルトを着けるのが気が重い…
それだけで束縛されてる気がする。


エンジン音が鳴り、ニュービートルは走り出した。


流れる景色を眺めながら、無言のまま考えを巡らせる。


本当に送ってくれるかも怪しい…
だからって、変に煽ったら何されるか分からない…
逃げたら追いかけると言う始末…。


今までのことも含めて、この先の人生、嘉之から離れることなんて不可能な気がしてきてしまう。


絶望感が足下から這い上がってくる気分だ…。


すると


「小田切とやったの?」


「は…なにをよ?」


「sex!」


「はぁ!?」

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