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理想と偽装の向こう側
第14章 時限爆弾
チャポン…。


湯槽に浸かると、疲れと緊張が一気に取れていく様だ。


思えば、温泉なんて何年振りだろう…。


嘉之と、出会ってから遠出をしたことがなかったよな。


窓から少し、海が見えた。
本当に小田切さんと、色んな思い出いっぱい出来たな…これから先も作れたらいいな…。


明るい未来を想像しつつ、月曜日からの現実に堪え忍ぶしかない…。


明日は、いっぱい楽しもう…

そして、小田切さんを心に記憶に、焼き付けるんだ。


◎ ◎ ◎ ◎

風呂場を出ると、小田切さんもちょうど出て、入り口で鉢合わせる。


濡れた髪を軽く拭いたままで、浴衣姿が妙に色っぽくて、思わず口元を押さえた。


うっ…美しい…!
鼻血、出そう!


そんな私の妄想など知るよしもなく。


「いい湯だったね~!疲れ取れた?」


「は、はいっ!」


取れたけど、また疲れそうです!

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