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理想と偽装の向こう側
第14章 時限爆弾
ホテルに着き、フロントで小田切さんが宿泊の手続きをしている。


「シングル2部屋で、宜しいですか」


「はい、お願いします」


「畏まりました。禁煙と喫煙が…」


受け付けの男性はパソコンを操作しながら、淡々と説明をしていく。


シングル…2部屋…。


あぁ…別々か…
一昨日みたいにはならなかったのね…。


良かった…ん?
良かったのかな?
ツインとかじゃダメだったんだろうか…。


あ~ダメダメ!妄想しちゃうよ!


「香織ん、なにプルプルしてんの?犬みたい~!」


カードキーを2枚もって、楽しそうに小田切さんは、笑ってる。


「いや…ちょっと考えごとを…」


「なにを~」


ニヤリと意味深に聞かれた。


やだ!
小田切さんまで、読心術!?


「浴衣かな?パジャマかな?」


話題を変えよう!


「あぁっ!パジャマだって!」 


「…なら…良かった…」


と、言いますか…
わざわざ、聞いたのかな…?

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