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理想と偽装の向こう側
第15章 発動
◎ ◎ ◎ ◎

小田切さんが送ってくれて、かなり早めに会社に着いた。


「来るとき連絡入れるね。何かあったら、直ぐに連絡して」


凄い心配そうな、面持ちだ…。


「分かりました」


とは、答えたものの本当に何とかしないとな…。


そう思ってた矢先


「チャラチャラ~!」


メールが届いた。


…嘉之だ…。


「あっ…」


「何て書いてある?」


恐る恐るメールを開封すると…。


『しばらくイタリア準備で忙しいから、1ヶ月くらいバタバタする』


それだけだった。


「はっ!!」


拍子抜けだ…。


けど、小田切さんは用心深く


「本当かな?作戦じゃないの?」


「それも…なくはないかも。でも、確かにそろそろ準備に入らないといけない時期だし」


トランスさんに確認してみるのもな…。


「小田切さん…多分、大丈夫だよ」


「そうかな…」


「確かに何か企んでは、いるかもしれないけど、その分直ぐには動かないと思う。嫌な予測だけど…」


多分…次はイタリアに確実に連れて行こうとするだろう…。


それなら、かなり用意周到にしないといけないから、直ぐには動かないのかもしれない。


次に嘉之に会うときが、一番の正念場になる…。

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