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理想と偽装の向こう側
第15章 発動
こないだ端的には黎子に話したけど、嘉之が避妊しなかったことまでは言えなかった。


「こないだ…何度もされて…嘉之も子ども出来たって…いいからって…ひっく」


黎子は、私の横に座り肩を手を載せる。


「ふっく…お酒飲まされて…手首縛られて…叫んでも…止めてくれなくて…」


「小田切さんは…そこまで知ってるの…」


「流石に、嘉之も私も言ってない…言えない…でも、嘉之は一か八かで賭けに出たのかもしれない」


「調べたの?」


「まだ…今日、凄く気持ち悪くて…それで気づいたから」


「…先ずは、調べよう…検査薬でほぼ分かるから。私今から買って来ようか?」


そうだよね…それが現実だ…。


「でも、勘違いかもしれないし…」


一瞬、間が空く…。


「そうね…可能性は半分半分。なら勘違いって確証したいでしょ」


「うん…そうだけど…怖い…」


「香織…」


「もし…妊娠してたら…」


黎子は、私を抱き締めなから


「香織…大丈夫だから!」


「嫌っ!!黎子!怖いよ!」

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