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理想と偽装の向こう側
第16章 懐古
◎ ◎ ◎ ◎

「こんなもんかな?」


缶ビールを一口飲んで、パソコンの横に置く。


カチャカチャとインターネットを検索していた。 


綿密に予定を組むのもなんだが、行き当たりバッタリなのも良くない気がして、それなりにレストランとか、楽しめそうなアミューズメントスポットとか調べてみた。

 
てか、最近デートとかしてなかったし、色んなものも増えてきてるしな…
30歳近くなれば、若い子からしたらオジサンの部類かもしれない。


「あっ…水越さん、何歳だろ…。」


年下なのは、確実だろう。
話の流れで分かるかな?


そんな一人言も、気にならないくらい楽しくて仕方ない。


時計をふと見ると、1時を過ぎていた。


「えっ!もうこんな時間か!」


滝島の言葉が過る。


『お蔭で最近寝不足だ!』


こうゆう事ね…。


大事な人の事を思っていたら、時間なんてあっという間に過ぎてしまうんだ…。


「さてと寝るとするか」


彼女に喜んでもらえるかな?


あっ…。

「何、着て行こう…」


俺は、すっかり乙女状態だった。

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