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理想と偽装の向こう側
第16章 懐古
『お疲れ様です。水越です。今日はありがとうございました(*^^*)携帯番号は090…』


ぷっ!顔文字だ。


彼女らしいな…
メール1つで自然と和む…

けど、やっぱり彼女は爆弾投下も得意そうだ。


『明日、楽しみです!小田切さんに誘ってもらえて、本当に嬉しかったです!』


ドクンッ…


どう言う意味だ…
期待してしまいそうだ。


俺は明日ちゃんと交際を申し込むつもりだけど、彼女の天然ぶりから期待し過ぎも出来なかった。


この歳になると上手く傷付く準備も用意してしまう…
それか、俺だけかもしれないけど。 


でも先ずは

「明日…水越さん、どこに連れてってあげようかな…。」


せっかくの休日を俺に譲ってくれた訳だから、明日1日を本当に楽しく過ごしてもらいたい。


一気に色んなプランを考え出す。


好きな食べ物は、何だろう?
何か欲しいモノとか、あるかな?
何に興味が、あるんだろうか?


そんな事を思い巡らすだけで、幸福感に満ちてきた。


橋の真ん中に来た俺は、思わず先日見掛けた子の様に


「よっしゃ!」


と、小さく呟いた…。

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