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理想と偽装の向こう側
第16章 懐古
◎ ◎ ◎ ◎

「お茶いかがですか?」


「ありがとうございます。あと、一杯だけお願いします」



失礼のないように、笑顔で返すと

「じゃあ、直ぐにお持ちしますね!」


嬉しそうに、カップを持っていく。


「ありがとうございます」


水越さんより早く終わった俺は待ち合い室で待ってる間に綺麗なお姉さんたちは、入れ替わり立ち替わりお茶を注ぎにきてくれ、今度ので5杯目になる。


流石にもう、いらないな…
こんな飲ませるのも、デドックス効果の一つなのか?


お店に入ってから、二時間が経とうとしていた。


初デート?で、マッサージなんて、今までやったことないし、聞いたこともない…
だけど、頑張ってる彼女に少しでも、ご褒美をあげたくなった。


ナース服が汚れるのも構わず、真剣に子供たちと遊ぶ水越さんの姿が思い浮かべると、口元が自然と微笑んでしまう。


「カチャ…」


テーブルにカップを置かれて我に返る。


「どうぞ、お連れ様もうすぐ戻られますよ」


「はい…ありがとうございます」


マッサージが終わった彼女は、どんな顔してるかな…。

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