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理想と偽装の向こう側
第16章 懐古
ランチには各地の有機栽培した野菜をメインに、自家製ドレッシングをチョイスしたり、ビッフェ形式のお店に入った。


野菜で作ったデザートなんかもあって、見てくれも可愛く女性が好みそうだった。


単品で魚や肉類も用意されてるので、物足りなさはなかったけど、水越さんは沢山は食べていなかった。 


「余りの食べてないけど、味とか合わなかった?」


「あっ!凄く美味しいしお野菜も大好きなんで、ここのお店気に入りました!」


笑顔で話す彼女の言葉は、嘘ではなそうだ。 


「食べるのも作るのも好きなんだけど、いつもいっぱいは食べれなくて」


「そっか~胃が小さいんだろうね」


残念そうに語る彼女に、気にしないようにフォローを考える。


華奢だしね…。


「ですかね…でも、テレビで小柄でもいっぱい食べてる人いるじゃないですか!凄い羨ましくて!私も沢山食べてみたいって、いつもテレビに食い付いちゃうんです!」


水越さんは、両手をグーにして力説する。

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