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理想と偽装の向こう側
第5章 トラウマ
「何色系が好みなの?」


「グリーン系かな…あっ!このあさみどりのがデザインもいいなぁ!」


「ふ~ん。この色、あさみどりってんだ…鶯色って言うのに近いの?」


「あ~、鶯色はもっと渋い感じで、こんなに明るくはなくて、因みにこっちは千歳緑です」


「…ただの緑じゃないんだ」


「ただの緑は、こっちに近いかな」


「へぇ~。小学校の12色の絵の具止まりだな俺。じゃあ、こっちは?」


「これはですね…」


小田切さんは腕を組む感じで右手は口元に持ってきて、真剣に話を聞いていた。


色の種類を話してるたけで、こんなに食い付いて聞いてくるとは思わなかったし、何気に盛り上がってるのが面白い。


「香織ん、勉強してるね~!」


本気で感心を露にしてるのが伝わり、照れ臭くなった。


「大学でも習ったけど昔から自分でも独学で。色を見てるだけでも楽しくて」


「そっか。今いい顔してるもんな!」


そう言われ、ポンっと頭に手を置かれた。

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